スポーツバイク特有の高い走行性能に、その速度域やペダル回転数に合わせて調整されたアシスト性能。重量は少し重たいものの、それを補って余りあるパワーでサイクリングの新たな楽しみを体験できるe-bike。
キャンプツーリングなどで荷物を載せる自転車旅でもその恩恵は受けられそうですが、航続距離や充電、輪行など従来の自転車旅とは別の気になる点もあります。
「実際にe-bikeを自転車旅で使ってみたらどうなるのか?」
正直なところ、そう思っていたので
当店の体験試乗車、グラベルロードタイプのBESV・JG1で実際に自転車旅をやってみたいと思います。
自転車をカスタムをしていく上で、個人的に心がけているのは「何をやってみたいか。」
例えばスポーツバイクを通勤・通学用途で利用したいと考えると、一般自転車では標準的に付いているライト、ロック、スタンド、ディレイラーガードを取付けて、さらに前バスケットや雨を避けるフェンダーも追加して利便性を向上させます。
これと同じで、「アシスト機能のあるe-bikeでラクにツーリングしてみたい。」というのが、今回やってみたいことになります。
自転車旅も日帰りで戻ってくることもあれば、2泊3日~1週間ぐらいの泊りがけツーリング、1ヶ月以上の長期ツーリングなど様々なパターンがあり、自宅から出発することもあれば、出発地点まで電車やフェリーなどの公共交通機関で移動することもあります。
学生時代は1ヶ月前後の長期ツーリングが中心でしたが、現在では2泊3日の細切れでツーリングをするのが中心となっています。
キャンプ道具があれば自炊をしながら宿泊費を抑えられる利点もありますが荷物が多くなり、輪行が大変になります。キャンプ場で必ずしもバッテリーの充電ができるとも限らないので、しばらくはキャンプはせずに宿泊中心のスタイルでツーリングをしたいと思います。
このように自分自身の自転車旅のスタイルを整理すると、何が必要で何が不要か、旅先で消耗してきたら現地調達したほうがよいものなどが把握しやすくなります。
自転車旅のスタイルを把握するために、最初は敢えて不便な状態で乗ってみるのも一つの方法です。
相模湖サイクリングや東京サイクリングでは、JG1にオプションパーツを敢えて何も付けない状態で走ってみました。
その結果、車体自体に(この時点では)特に不満はなかったものの、写真撮影をする際にカメラをバックパックから取出す煩わしさを一番に解決したいので、すぐに取出せるようフロントバッグに収納して運用したいと改めて思いました。
フロントバッグを取付けると、フロントライトがバッグで隠れてしまい路面を照らさなくなってしまうので、ハンドル以外の設置場所を検討する必要があります。
スポーツバイクに乗り始めてお尻や手のひらが痛くなったりした場合、サドルやグリップなどを快適性の高いものに交換したり、ポジションを調整したり、インナーパッド入りのサイクリングショーツやグローブを着用することで解消できることがありますが、これもしばらく乗ってみると分かりやすいという点では同じことになります。
カスタムの優先順位やゴールも把握しやすくなるので、何から手をつけるべきか悩んだ場合の方法の一つとしてオススメです。
自転車旅仕様へのカスタムの第一弾は、ミラーレス一眼レフカメラを収納するためのフロントバッグ取付け。
カメラ以外にも貴重品を収納する今回のカスタムの要となるので、ツーリング用バッグの最高峰オルトリーブの完全防水のフロントバッグ・アルティメイト6クラシックの7Lを選択。
寸法は縦21cm×横24cm×奥行き13cm、重量は570g。
中は広々としたスペースがあり、小物を仕分けるのに便利なファスナー付きポケットもあります。以前のカスタムで取付させていただいた5Lタイプと比べ、開閉システムがマグネット式になっています。
アルティメイト用のオプションパーツとして、カメラインサートがあります。寸法は外寸で縦17cm×横24cm×奥行き14cm、内寸で縦12cm×横22cm×奥行き13cm、重量は190g。
アルティメイト6の7Lに装着するとピッタリ収まる形になり、ポケットは使えなくなりますがその分カメラはしっかり保護してくれます。
アタッチメントはe-bikeのディスプレイとの干渉を防ぐ、取付け部分が75mmの幅広になっているe-bike用を使用。重量は150g、耐荷重は5kgまでとなります。
フロントバッグを装着したことで、こだわったカメラの出し入れのしやすさは解決しましたが、フロントライトはバッグで完全に隠れる状態に。続いてのカスタムは しっかり路面が照らせる位置でのフロントライト取付けになります。
インターテックさんの2023年新規取り扱いブランド・OLD MAN MOUNTAN(オールドマンマウンテン)のキャリア・Divide(ディバイド)をリアに取付けてみました。
以前に行った北陸・東北縦断の旅では着替えと充電器の最小限の荷物でしたが、サイドバッグの装備も出来るようキャリアの追加を計画していたところ、インターテックさんの新製品発表会で「これは良さそう。」と注目していました。
オールドマンマウンテンのキャリアは、
・スルーアクスルにも取付け可能
・ダボ穴がなくても取付け可能
・前後共用
・リアの耐荷重は25kg、スルーアクスル固定で32kgになる
・補助ステーは負担があまりかからないので、カーボンフォークにも装着できる
と、汎用性の高さが特長です。
BESV・JG1純正品と比較すると耐荷重があり(18kg→25kg~32kg)リアはもちろん、別売りのFit Kitを使用すればフロントにも付けられるので重装備の際のキャリアの候補になると思います。
説明書は付属していない代わりにQRコードがあり読み込むと動画で組立て方法を紹介してくれます。使用する工具は4mmアーレンキーと10mmスパナの2つ。
取付け時に思ったオールドマンマウンテンのキャリアの秀逸な点は補助ステーの位置。
通常は天板に補助ステーを取付けますが、フレーム側のダボ穴の位置によっては補助ステーを極端に曲げることになり、結果としてダボ付きシートクランプに交換しないと付かない時があります。
ディバイドは補助ステーがパニアレールの下に付けるため、ダボ穴の位置がかなり下の方にあるJG1でもすんなり取付けできました。
JG1にディバイドを取付けるときの注意点はリアエンド側の取付けボルトが長すぎるので別途ボルトの用意が必要です。
付属のボルトは34mm程の長さですが、これだと隙間が生じてしまいます。
試しに20mmで取付けてみたら少し短かったので、取付けには25mmぐらいの長さが欲しいなと思いました。
試しにサイドバッグを取付けてみましたが問題なく装着できます。
天板のサイズは奥行き27cm×幅10cmとかなりコンパクト。参考までに私のサーリー・ロングホールトラッカーに付いている日東・キャンピーの天板のサイズは奥行き34cm×幅14cmです。
上図の場合、リアキャリアに載っているのは
・テント(2~3人用)
・シュラフ
これで奥行き的にはギリギリなのでアウトドアギアの小型化、もしくは配置転換が課題です。
ただキャリア自体が装着が難しいバイクにも取付け可能で、耐荷重が27kgもあるので他のe-bikeに取付ける際にも筆頭候補としてオススメできる製品です。
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