今回はオーナー様より「フレーム組み」のご依頼を頂き、お仕上げさせていただいたロードバイクをご紹介します。
Panasonic Order System(POS)
FRCC32
パナソニック・オーダー・システムは大阪府柏原市にある同社の「柏原工場」内のPOS工房でクラフトマンの方々によるハンドメイドによって生産される、正真正銘の「日本製フレーム」です。
今回のご依頼内容は「オーナー様のサイクリングスタイル」「入手可能なモデルかどうか」「仕様」「フレームや部品の納期」「予算」を考慮し、全体のバランスを取りながら段取りをして組立てるオーダーメイド方式、通称「フレーム組み」で納車させていただきました。
パナソニックは1987年にPOSが確立して以来、レーシングモデルからエンデュランスモデル、様々なオーダーバイクを作り続けていますが、
「FRCC32」は細身のクロモリフレームとクロモリフォークによる乗り心地の良さから快適なロングライドをサポートするロードバイクフレームです。
フレームカラーはベーシックカラーだけでも34色あり「オリジナルデザイン」や「ミラーデザイン」も含めると膨大な組合せになります。
POSはカラーやデザインが自由に選べるのが大きな魅力ですが、選択肢が多すぎると「何から決めていいか迷ってしまう。」ので、今回は様々なロードバイクの画像をご覧いただきながら、どんな雰囲気に仕上げていくかをオーナー様と打合わせしました。
最終的にはフレームカラーは、
・スパーリングカラー 1C-N3 SM ガンメタル マット調
・ロゴカラー シルバー
に決まりました。
メインコンポーネントはシマノ・TIAGRA ver. と SORA ver. でお見積りを出して、高級感のあるメテオグレーを纏ったTIAGRAで予算の承諾を得られましたのでTIAGRAに決定。
打合わせの中で黄色系のカラーも一時候補にあがっていたので、差し色として「ゴールド」を使うことになりました。
フレーム内部の防錆・防水対策としてワコーズのラスペネで下処理。後は部品の入荷を待ちます。
部品が少しずつ入荷し、最後の未入荷部品があと一週間程で当店に届くというタイミングでスケジュールを逆算して組立てを開始。
以前にコルナゴのセミオーバーホールでもご紹介させていただきましたが「ハンドルアライメントチェッカー」という現在では入手困難な特殊工具を使用してセッティングしていきます。
フロントホイールがスルーアクスル以外という使用制限がありますが、ハンドルの左右やブラケットの上下位置を素早く正確に確認できる優れもの。
「何度か転倒して、走行には支障がないものの写真撮影する際にハンドルが決まって傾く。」など違和感を感じた場合は、微妙にズレていることもありますのでその際はご相談ください。
未入荷部品とオーナー様こだわりの部品以外は組付けが完了。
そしてつい先日、全ての部品が揃って組付け・微調整をしてオーダーから約半年ほどお時間を頂いて納車させていただきました。
フレームカラーが「マット調のガンメタ」、自転車の顔とも言われるクランクセットを含めたコンポーネントが「グレー」と同じ黒系でも濃淡まで近くなったので、色数を抑えて統一感を出すことができました。
差し色のゴールドはアウターキャップとシートポストのクランプのみに使用しました。
どちらもリアディレイラーやサドル等で隠れてしまう箇所ですが、スーツの袖裏地のようにちらっと見えたときのビビッドなカラーは大人っぽい雰囲気を漂わせています。
オーナー様こだわりのブルックスのサドルと革バーテープは細身のクロモリフレームによく似合います。
納車までお時間をだいぶ頂戴しましたが、完成した姿をご覧いただいた際は大変喜んでいただけました。
オーナー様、どうもありがとうございました。
ご縁があって納車・修理・メンテナンスをさせていただいた、皆様の大切な愛車の記録です。
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