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2025年12月28日

【カスタム】ヤマハ・クロスコアRCを11speed化 & 27.5"×2.25"タイヤに交換 - シマノ・CUES導入時の注意点と考察 -

相模原中央店

 

お客様よりカスタムのオーダーを承りまして、今回はそのときの作業の様子をご紹介させていただきます。

 

バイクはヤマハ・CROSSCORE RC(X2V5-0001041/PC65RM)2022年度モデル ミスティグリーン になります。

 

オーナー様より「タイヤをブロックパターンで今、付いているものよりも太めのものへの交換と、あわせて11speed化が可能であればお願いします。」とご相談を受け、おおよその予算を10万円として承ることになりました。

 

【目次」

 1. CUES導入時の注意点と考察

 2. 27.5"×2.25ブロックタイヤへの交換(フェンダー有り)

 3. 27.5"×2.25ブロックタイヤへの交換(フェンダー無し)(New)

 

【あわせて読みたい】

>> YPJ(ヤマハ)クロスコアRC - 最大航続距離200kmを誇るe-bike -

 

1. CUES導入時の注意点と考察

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リアスプロケットを取り付けるフリーボディの規格を確認したところ、11speed対応であることが分かりました。
そこで部品を手配し、カスタム作業に取り掛かることになります。

 

結論として、今回の11speed化で最終的に使用した部品は以下のとおりです。

・シフター:SL-U6000-11R
・スプロケット:CS-LG400-11S(11-45T)
・チェーン:CN-LG500(138L → 17L余り)
・リアディレイラー:RD-U6000-GS(フロントダブル用)

 

クロスコアRCのフロントギアは「シングル」ですが、今回は「ダブル」用のリアディレイラーを使用しました。

以下は、今回のカスタムにおいて要点となったリアディレイラー選択についての考察です。

 

 

2023年にシマノから発売された新型コンポーネント、CUES(キューズ)。

 

「ハイエンドグループセットの信頼感を、手の届きやすい価格帯で提供する」というコンセプトのもと、E-シティバイク、トレッキングバイク、MTB、ロードバイク、グラベルバイク、カーゴバイク、E-カーゴバイクまで、幅広い車種に対応するグループセットです。

 

今回のように「クロスコアRCを11speed化し、リアスプロケットをワイド化したい」というケースでも、フリーボディの規格が合えば導入が可能です。

 

CUESの大きな特徴として、チェーンは9・10・11speed共通のLINKGLIDE(リンクグライド)規格を採用しています。
そのため、近年のスポーツバイクで主流となっているHG規格とは互換性がありません。

 

また、クランクセットがシングル/ダブルから選択できるのに加え、リアディレイラーも「フロントシングルギア用」「フロントダブルギア用」に分かれている点は、他のコンポーネントではあまり見られない特徴です。

 

 

上の写真は、今回ヤマハ・クロスコアRCに導入したRD-U6000-GS(フロントダブルギア用)のリアディレイラー。

 

 

こちらは、e-bikeのBESV・JF1に搭載されているRD-U6020-SGS(フロントシングルギア用)のリアディレイラーです。

 

 

一見するとよく似ていますが、インナーケーブルの通し方が異なります。ダブルギア用は「内 → 外」、シングルギア用は「外 → 内」となっており、HIGH/LOW調整ボルトの位置にも違いがあります。

 

 

当初用意したのは、フロントシングルギア用の「RD-U6020-SGS」でした。ディーラーマニュアルに沿って取り付け・セッティングを行いましたが、1sに入らない状態となりました。

 

ディレイラーハンガーの変形なども疑いましたが、こちらは問題なし。指でリアディレイラーを押しても、それ以上内側に入らない感触でした。

 

 

そこで、改めて注目したのが「チェーンライン」です。

 

先述のBESV・JF1では、フロントシングルギア用のRD-U6020-SGSで問題なく動作していましたが、JF1はドライブユニットが後輪に搭載されています。一方、ヤマハ・クロスコアRCは、ボトムブラケットと一体型のセンターユニットです。

 

サーリー・プリアンブルのシングルスピード化カスタムでも感じたことですが、適切なチェーンラインが出ていないと、チェーンへの負担が大きくなります。特に変速操作では精度が求められるため、その影響は顕著です。

 

「もしかすると、クロスコアRCのフロントギア位置はダブルギア寄りなのでは?」

 

という仮説を立て、フロントダブルギア用のRD-U6000-GSを取り付けて再度セッティングしたところ、1sにもスムーズに入るようになりました。

 

 

e-bike以外の車体であれば、CUESには軸長を選べるボトムブラケットや、スクエアタイプのクランクも用意されており、チェーンラインの補正が可能です。

 

しかし、ドライブユニットやセンサー類がボトムブラケット周辺に集約されているe-bikeでは、軸長やチェーンラインの変更ができません。そのため今回のように「フロントはシングルギアだが、リアディレイラーはダブルギア用を使用した方が調子が良い」というケースも起こり得ます。

 

今回は「たまたま」の可能性もありますが、フレームジオメトリーの変更やドライブユニットの小型化によって、今後改善される可能性も考えられます。うまくいかなかった場合の解決策の一つとして、参考にしていただければ幸いです。

 

 

注意点として、シフターの変速段数を示すインジケーターは、やや大きめです。ハンドル周りにミラーやベルを取り付けている場合や、ライザーバーを使用している場合は、取り付けに制限が出ることがあります。

 

2. 27.5"×2.25ブロックタイヤへの交換(フェンダー有り)

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タイヤは、MAXXIS CROSSMARK II(27.5"×2.25")へ交換しました。元は27.5"×2.0"のスリックタイヤで、フレームクリアランスを考えると、このサイズが実質的な上限と考えられます。

 

 

改めて、カスタム後の全体像。雰囲気が大きく変わり、マウンテンバイクらしい印象になりました。

 

オーナー様、ありがとうございました。

 

3. 27.5"×2.25ブロックタイヤへの交換(フェンダー無し)

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先程ご紹介させていただいた当ブログをご覧いただいた別のオーナー様より、同様に27.5"×2.25"のブロックタイヤへの交換についてご相談を承りました。

 

他にもいくつか候補はありましたが、最終的には同じくマキシス・クロスマークIIを選択されています。

 

 

上の写真は、標準装備のCST C-1996(27.5"×2.0)。均一なスリックパターンで、街乗りには扱いやすいタイヤです。

 

 

こちらがマキシス・クロスマークII。重量は実測で774gでした。センター部は比較的スムーズなノブ配置となっており、舗装路での転がりの軽さと、ブロックタイヤらしい見た目を両立しています。

 

ショルダー部にはしっかりとしたノブがあり、未舗装路や荒れた路面でも安心感のある走行が可能です。

  

 

タイヤとチューブを交換する際に、あわせて行いたいのがリムフラップ(リムテープ)の交換です。リムテープは、ニップルホール(スポークを固定するニップルを通す穴)とチューブの間に入る中敷きのような部品で、これが劣化するとチューブにニップルホールの痕が付き、パンクの原因になることがあります。

 

そのため、タイヤおよびチューブ交換の際には、リムテープも同時に交換することをおすすめしています。

 

今回は、リムフラップに痕がはっきりと残っていたため、あわせて交換を行いました。リムフラップはリム内幅に合わせて選ぶ必要がありますが、元々装着されていたものは22mm幅でした。

 

チューブについても、サイズが適合していれば流用できる場合はありますが、タイヤと同様に劣化しているケースが多いため、基本的には交換を推奨しています。今回は、装着されていたチューブの対応サイズが27.5"×2.0までだったため、チューブ交換が必要となりました。

 

 

以上を踏まえ、今回の交換に使用した部品は以下のとおりです。

・マキシス クロスマークII 27.5"×2.25"
・シュワルベ チューブ(21SV)27.5"×1.5"–2.4" 仏式バルブ/バルブ長40mm
・シュワルベ ハイプレッシャーリムテープ 27.5"×22mm幅(ETRTO 22-584)

 

 

クリアランスについては前回と同様で、フレームとの隙間を考慮すると、このサイズが実質的な上限と考えられます。

 

 

改めて、カスタム後の全体像。雰囲気が大きく変わり、マウンテンバイクらしい印象になりました。

 

オーナー様、ありがとうございました。

 

  

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