BESV
PS1
メーカー希望小売価格
税込み 348,000円
最初にオーナー様からこのようなご相談をうけました。
「車体重量20kg以下のe-bikeでオススメのモデルはありませんか?」
オーナー様は普段からランドナータイプの自転車にお乗りになられていますが、体力的に少しキツくなってきたのでe-bikeにしようとお考えになりました。ただ、車体重量は20kg以下で乗りやすいのが条件でした。
オーナー様は事前にいくつか候補をお調べ頂いてくださったので、こちらはリストアップされていなかったブランドのe-bikeをご提案させていただき見比べて、最終的には第1候補のBESV・PS1に決まり納車させていただくことになりました。
数あるe-bikeの中からオーナー様の心を射止めたBESV・PS1。車体重量が17.4kgと軽量なこと以外にも、溢れる魅力について少しご紹介させていただきます。
(↑New)
まず目を引くのはこの近未来的なデザインのフレーム。BESV・PS1はリアサスペンションを搭載していますが、リアサスペンションを起点にフロント側はカーボンファイバー製、リア側はアルミ製となっています。
そして、1回の充電で100kmの航続距離を誇る大容量バッテリーは、リアサスペンションの上についているコチラ↓です。
非常にコンパクトですが、電圧36V、容量10.5アンペアを誇ります。重量は約2.1kg、満充電までの充電時間は4.5時間です。
こちらがBesv専用充電器。見た目はノートPCの充電器にそっくり。
充電中は充電器側に付いているインジゲーターが赤く点灯します。充電が完了するとインジゲーターが緑色に点灯します。充電ケーブル先端の端子は細くなっているので、無理に押し込んだり外そうとすると端子が折れて使用不可になる可能性もあるので、充電ケーブルの接続には十分ご注意ください。
バッテリーを取外すとこんな感じです。シートポストとリアサスペンションの間に収まっており、いかにバッテリーが小さいかよく分かりますね。バッテリーの脱着は少しコツが必要です。
バッテリーをフレームに接続させるために、バッテリー上側にはレールが2つ付いています。
バッテリー下側には溝があります。
フレームの上側にはバッテリーと接続するレールが2つ付いていて、
フレームの下側にはバッテリーの溝に合わせる部品が付いています。
そしてバッテリーの脱着はそれぞれのレールと溝に合わせる位置にバッテリーを持ってきて行います。後ろからレールに沿ってスムーズに…というわけではないのでご注意ください。
PS1のアシストモード起動は、オートバイに似た方法になっています。
まず付属のキーをバッテリーに挿入します。挿入時はOFFになっていますが、
右に回してONにします。
するとHMIディスプレイに " BESV " と表示されてアシストモードが起動します。
ハンドル左側にHMIスイッチが付いていて、一番上の " i " で計測表示の切替え、真ん中の " + " と " - " でアシストモードの切替えができます。
PS1のHMIディスプレイはサイクルコンピューターのように走行ログを表示・記録してくれます。
走行速度(Speed)の表示
平均速度(Avg)の表示
最高速度(Max)の表示
走行距離(Trip)の表示
積算距離(ODO)の表示
と、基本的な走行ログ以外に、
ペダル回転数(RPM)の表示
消費カロリー(Calorie)の表示
ペダル踏力(Power)の表示
航続可能距離(Range)の表示
こちらは過去の実走行距離の記録を反映して残り○○kmと表示します。
例えば重たいギアで急な坂道を走行し続けた場合は、バッテリー消費量あたりの実走行距離が短くなります。反対に適切なギア位置で走行することでバッテリー効率がよくなり、バッテリー消費量あたりの実走行距離が長くなります。そして、今まで走った記録からバッテリー残量を計算して航続可能距離が表示されます。
つまり、ペダルを漕ぐのが上手な場合は航続距離が多く表示されて、そうでない場合は航続距離は短く表示されます。
PS1はアシスト出力なし、通常の自転車として利用できるOFFモード(0)以外に3つのアシストモードが選択できるようになっています。
エコモード(1)
アシスト力を抑えてバッテリー消費を減らすことができ、長距離走行に適しています。
ノーマルモード(2)
Besv本来の乗り味を楽しめる基本モード。
パワーモード(3)
バッテリーの持ちがエコモードの半分以下になりますが、アクティブな走行が楽しめます。
スマートモード(S)
ペダル踏力(Power)に応じて最適なアシスト力を自動調整し、走行環境にあった快適なライディングができます。
e-bikeにおいて最も大事なドライブユニットですが、PS1は後輪のハブに搭載されています。
電動アシスト自転車を含め、ドライブユニットの配置場所はパナソニックやヤマハで多いフレーム中心部の真下、ブリヂストンのデュアルドライブで採用されている前輪のハブ、この2つが主流となっています。
駆動輪の後輪であればスムーズなアシストも期待できますが、後輪は駆動輪であるが故にタイヤ等の負担も大きく、故障のリスクもあるので、「そこにドライブユニットを配置するのは…」と最初は懐疑的に思っていました。
その考えが覆ったのがBESV自慢の小型ドライブユニットの存在。実際に持ち上げても後輪側だけ非常に重たいということもなく、試し乗りさせていただいた際にも静かなモーター音とスムーズな発進が気持ちよく、「ここまでドライブユニットがよければ後輪もアリ。」と考え方をあらためることができました。
先述の通り、PS11には47mmトラベルのリアサスペンションが搭載されています。
エア式になっており、ライダーの体重に合わせて空気圧を調整することができます。
軽量とはいえ車体を支えるタイヤは空気圧を高めに設定する必要があり、ホイールサイズも小さいので路面からの衝撃は伝わりやすくなっています。サスペンションの空気圧を適切にすることで、不快な振動を吸収し快適な乗り心地になります。
メーカー指定の適正空気圧は65-150PSI。ただし体重別の空気圧の換算指定は今回調べた範囲では無かったため、サグ調整は静止状態と実際に外を走ってもらい微調整しながらセッティングしました。
フロント側にもコイル式のサスペンションが付いています。ストローク量は50mmとオンロード走行中心であれば十分な長さ。
フロントフォーク左肩部分にはプリロード調整ダイアルが付いていて、コイルの強弱を調整できるようになっており、
フロントフォーク右肩部分にはサスペンションの動作を制限するロックアウトのダイアルが付いています。これにより上り坂でサスペンションが不要に作動して推進力のロスを軽減させることができます。
タイヤはシュワルベ製ビッグアップル20×2.0を採用。同社のマラソンと同じく優れた耐久性からツーリング用途だけではなく、e-bikeに多く採用されている信頼のタイヤです。
ブレーキはテクトロ製のe-bike用に設計された油圧式ディスクブレーキ(アウリガ e-SUB)を採用。試し乗りさせていただいたときにもスムーズに減速でき、コントロール性に優れていました。
ドライブトレインはシマノ・ティアグラ 10Speed 11-28T。フロントギアが48Tと、アシストモードの制限速度25km/hまで出すのにちょうどいいギア構成になっていると感じました。
長時間のライドも快適になるようにエルゴン製グリップを採用。グリップを握った時にムダな力が入らず手が疲れにくい、ずっと触り続けるものだからこそ良いものを使用しています。
重量17.4kgと軽くて航続距離が100km、充電器もコンパクトなので宿泊中心で毎晩充電できる環境であれば、新しいスタイルの自転車旅が楽しめる可能性を秘めたe-bike。
いいものを見させていただきました。オーナー様、ありがとうございました。
今回、PS1純正オプションパーツのフェンダーを取付けしました。
専用設計なだけありタイトな設計になっています。タイトな設計になっていますが、ステー中心付近のカバー状の部品が、フェンダーに強い衝撃が加わった時に結合しているステーが外れるようになっています。
フェンダーの取付け位置も特殊で、リア側はサスペンションの裏側付近にダボ穴があります。
フロント側のフェンダーもVブレーキ用の台座部分にステーを取付ける形になっています。純正品以外のフェンダーの取付けは困難だと思われるので、フェンダー取付けは純正品がオススメです。
クランクを取付けるボルトは特殊形状になっており、BESV取扱店でしか工具がございませんのでご注意ください。
オーナー様より「ハンドルの位置を低くしたいから、ショートエクステンダーに交換して欲しい。」とご相談を受け、BESVより取寄せして交換させていただきました。
上図の部品が"ショートエクステンダー"で、BESVのPS1、PSA1専用品となります。この2モデルはエクステンダーという部品を介してハンドルステムとフロントフォーク(フォークコラム)がつながっています。
PS1に標準で付いているエクステンダーでハンドルの位置を変更する場合、ハンドルステムをひっくり返すことでしかハンドル位置を調整できませんが、
ショートエクステンダーにはエクステンダーの他に、アヘッドサイズのヘッドスペーサーを積み木のように組合せることで、標準のエクステンダーから50mm、最大130mmまでハンドル位置を低くすることができるようになります。
重量は標準のエクステンダーが267g。
ショートタイプは、ヘッドスペーサーを抜いた状態で134g。
付属のヘッドスペーサーを足して230g。
高さ調整以外にも37gの軽量化にもつながり、特にハンドル位置が高すぎて乗りづらい場合に有効ですが、取付けには注意が必要です。
それはショートエクステンダーを最初にセットするのが固く、脱着が難しい点です。
上図のように、エクステンダーには挿入する側に切り欠きが設けられています。この切り欠きがあることで、挿入時に広がってスムーズに入るようになりますが、
切り欠きの数が標準だと3つ、ショートだと1つです。つまり、ショートの方がタイトになっています。
ショートエクステンダーにはコラムスペーサーが付属されていますが、PS1では使用しないので外します。
寸法公差も考えられるので、すべてのケースに当てはまるわけではないと思いますが、今回のショートエクステンダーは最初すっぽりと収まりませんでした。
一度挿入してショートエクステンダーの内径が少し広くなれば、その後に外すのは簡単になりましたが、一回外すのには力が必要でした。
エクステンダーのセッティングの際はサスペンションが作動しないように、ロックアウトを有効にするのを忘れずに。
構造的にはシンプルで、普段は頻繁に取外す部品ではありませんが、標準のタイプに戻したり、ヘッドセットの調整の場合には取外す必要があります。自宅で交換する際は十分にご注意ください。
上図はショートエクステンダー交換前。
上図はショートエクステンダー交換後。ハンドル位置とサドル位置が同じぐらいになりました。
作業は少し大変でしたが、交換後はハンドル位置の調整の自由が効くようになり、オーナー様にもご満足いただけて良かったです。
ご縁があって納車・修理・メンテナンスをさせていただいた、皆様の大切な愛車の記録です。
自転車旅に必要なバッグやキャリアなどのまとめです。
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