10月13日に都内で開催された合同展示会に行ってきました。今回は当店で取扱っているブランドの新商品情報と、お客様からのお問い合わせや個人的に気になっていたことをメーカーの担当者の方に聞いてみた内容をご紹介させていただきます。
合同展示会とは国内外の自転車メーカーやパーツメーカーが一同に出展する自転車販売店・自転車関連企業向けの展示会です。COVID-19の影響により展示会開催が見送られていることもあり、今回の開催は様々な情報交換ができた貴重な機会となりました。
各ブースごとに様々な魅力的な商品がありましたが、ここでは特に注目した商品についてご紹介していきます。
OGKは新商品が豊富で、先日発表されたばかりのサイクルトレーナー・Camily(キャミリー)と、ヨーロッパから逆輸入したUrban iki(アーバンイキ)、そして新型チャイルドシート・POPOLA(ポポラ)に注目しました。
こちらがサイクルトレーナー・Camily(キャミリー)になります。サイクルトレーナーとは自転車の後方に連結して荷物などの運搬を行うけん引車です。
海外ではBURLEY(バーレー)などのサイクルトレーナーのブランドもあり、大きな荷物などの運搬に使用されており日本でも少しずつ使用される方が増えてきました。
画像の引用元:BURLEY(RITEWAY)
日本でサイクルトレーナーの需要が高まってきている理由の一つに、2人同乗子供乗せ自転車の荷物収納問題があります。これはリアチャイルドシートを取付けると、荷物は前バスケットもしくはバスケットに載せられないというのがあります。
画像の引用元:【まとめ】電動アシスト自転車特集
ただでさえ荷物を収納できるスペースは少ないのに、お出かけするときに持っていきたいものはたくさんある。現状はパートナーの自転車のバスケットに入れて対応しているケースもあります。
サイクルトレーナーの取付けにおいても、先程のバーレーの場合は運用を想定しているのが海外では一般的なスポーツバイクになるため、取付けはサドルの下のシートピラーなのでチャイルドシートが装着されている場合は取付け困難です。
キャミリーは一般用自転車・電動アシスト自転車のリアキャリアに取付けられるけん引車として開発されており、リアチャイルドシートが付いていても取付け可能です。
脱着も簡単で、リアキャリアに取付けたアタッチメントのストッパーを押して解除し、連結している部分を持ち上げれば
ものの数秒ですぐに取外すことができます。
キャリミーはサイクルトレーナーとコンテナバッグで構成されており、それぞれ別売りになっています。サイクルトレーナー単体であればキックバイクも収納でき、コンテナバッグを併用すれば通園時に困るお昼寝布団が2つまですっぽり入ります。
2人の幼児同乗ができる電動アシスト自転車に前後チャイルドシートを装着し、サイクルトレーナーを取付けたフル装備の状態。サイクルトレーナーを取付けると自転車から道路交通法上の " 軽車両 " に分類されます。
つまり、サイクルトレーナー取付けた状態だと車道のみ走行可になり、" 自転車通行可 " や " 自転車通行帯 "と区分されている歩道であっても走行不可となります。また幹線道路の高架などで見かける " 自転車・リアカー不可 " も走行できないので、普段使いであればよく通る車道の標識も事前に確認をしておいたほうがよいでしょう。
ちなみに自動車のけん引で使用されるような赤いフラッグが付いています。これ自体は走行中に付いていなくても法令には引っかからないみたいですが、自動車のドライバーから見えなくなるおそれがあるので取付けしてくださいとのこと。
キャミリーの注意点としては、
1. スポーツバイク用のリアキャリアとは相性がよくない
2. チャイルドシート・お子さんの体重を含めた荷重制限
が挙げられます。
先述の通り、キャミリーは一般用自転車・電動アシスト自転車のリアキャリアに取付けられるけん引車としての使用を考えて設計されています。そのため、天板部分の形状が一般用自転車のキャリアと異なるスポーツバイク用のキャリアと取付けの相性がよくありません。スポーツバイクでサイクルトレーナーを検討されている場合は、先程のバーレーなどがオススメです。
またキャリアの荷重制限もあります。一般的に付いているクラス27キャリアは荷重制限は、リアキャリアにかかるトータルでの荷重制限となるため、チャイルドシートやキャミリー、子どもの体重によっては使えなくなることもあります。
画像の引用元:OGK Camily Assesment より
例えば、表の一番左上にあるグランディアプラス(RBC-017DX)の場合、本体重量は4.8kgなのでお子さんの体重が22kgのときはサイクルトレーナーに積載できる重量は0.5kgになります。荷重制限を超えて使用した場合、事故の危険性の他、キャリアや後輪への負担増による車輪破損もあるので使用には注意が必要です。
使用にあたっては様々な制限や注意が必要になってくるものの、格段に荷物が収納できるようになるので、今までできなかった自転車の使い方も広がるかと思います。
続いてご紹介するのはヨーロッパから逆輸入のUrban iki(アーバンイキ)になります。子どもの送り迎えに自転車を使うことが多い日本のチャイルドシート製造の技術は、自転車の本場ヨーロッパでも好評でOGKヨーロッパというブランドをオランダを拠点に展開し、このたび満を持して日本へ上陸しました。
ヨーロッパではYepp(イェップ)やPolisport (ポリスポート)など日本でも人気のチャイルドシートが多く使用されていますが、海外の場合はアタッチメントを介してチャイルドシートを脱着できるのが基本。アーバンイキも同様にチャイルドシートの脱着が簡単になっており、構造的にもシンプルです。
ただ安全構造には抜かりなく、子どもが誤ってシートベルトを解除しないように股下のバックルが上部と横を同時に押しながらでないと外れないようになっています。フットレストは工具不要で簡単に高さ調整ができます。
単色のシンプルなデザインですが、よーく見ると波模様があります。Urban iki の iki は " 粋 " であり、海外の文化に合わせながらも、日本を代表するチャイルドシートのブランドとしての自信が見て取れる作りになっています。
取外しはチャイルドシートに付いているレバーを押して行います。リアキャリアにキャリアマウンティング装着した状態であれば着脱は簡単なのでお孫さんを乗せるときなど、たまにしかチャイルドシートを使わない場合や日によって送り迎えの担当を変えるとき、1つのチャイルドシートを複数台でシェアをしたい場合にもオススメです。
前用も同じくアダプターを介して脱着できるようになっています。
参考展示なので前後チャイルドシートを装着していますが、日本で2人同乗が認められているSG規格ではなくヨーロッパのEN規格準拠なので、前後同時にお子さんを乗せての運転はできません。ただEN規格も厳格に定められているので安全面は折り紙付きです。
OGK最後のご紹介になるのは、新型チャイルドシート・POPOLA(ポポラ)RBC-019になります。ポポラのネーミングの由来はイタリア語のポポラーレ(人気のあること)からで、OGKの中でも人気のチャイルドシート・RBC-007DX3やRBC-009S3のに代わる商品になります。
大きく変わったのはその外観。丸みを帯びた有機的なシルエットに加え、" くすみ "のあるカラーを取入れて今どきの自転車に合わせやすい雰囲気に仕上がっています。
先代のチャイルドシートから受け継いだ簡易バスケット機能もあり、ちょっとしたものを一時的に載せるのに便利。
嬉しい進化はステップの高さが工具不要で2段階調整が可能に。ロック機構付きのキャップを外して簡単に調整できます。またヘッドレスト付きモデルもツマミ部分を回すだけで同様にヘッドレストの高さが簡単調整できます。
サイクリスト御用達のロックとライトを数多く発売しているクロップス。以前に当店でもご紹介させていただきましたが、気になっていたクロップスのウィンカー機能付きテールライトとブレーキランプ機能付きテールライトがサンプルで展示してありましたので点けさせていただきました。
ウィンカー機能とブレーキランプ機能が起動している様子を動画にしてみました。Facebook と Instagram からご覧いただけます。
ウィンカー機能付きテールライト、ブレーキランプ機能付きテールライトともに以前紹介した商品との違いはクロップスの方がライト本体がUSB充電式になっている点とテールライトが自動点灯するオートライトセンサーが搭載されている点。本体自体もコンパクトなのでスポーツバイクにスマートに取付け可能です。
次にご紹介させていただくのは川住製作所。Kawasumi ブランドとしてサイクルカバーやバスケットカバーなど縁の下の力持ち的なアイテムを数多く発売しています。
今回注目したのは風を通すサイクルカバーです。メーカーのご担当の方から最初聞いたとき「えっ、風を通したらカバーの効果が…。」と思いましたが話を聞くうちに「なるほど。」と思った商品です。
屋外で自転車を保管する際、雨や紫外線から自転車を保護し長持ちさせるのに有効なサイクルカバー。サイクルカバーを使用しない状態で雨や紫外線が当たる状態で保管すると、各部にサビの発生やゴム製品の劣化が進んできます。
特にスポーツバイクの場合はデリケートな部品が多く、購入してからそれほど期間が経たずにペダルを漕ぐと後輪とペダルがずっと一緒に回り続けて空転しない現象が発生することもあります。
(そのときの修理の様子を動画にしてみました。Facebook と Instagram からご覧いただけます。)
屋外保管に有効なサイクルカバーですが、弱点としては強風の場合に自転車が倒れやすくなったり、湿気が溜まりやすい点があります。
特に強風によって倒れてしまうとサイクルカバー自体にも傷が入ってしまう他、自転車にも大きなダメージが及ぶため転倒は避けたいところ。今回の新商品のサイクルカバーは倒れる原因となる風をあえて吹き抜けさせることで倒れることを防ぎます。
撮影したとき、たまたま強風が吹いていたらしく検証はうまくいったようでした。「サイクルカバーをかけたいけど風で飛ばされたり、自転車が倒れたりする。」でお困りの方にオススメです。
ちなみに2021年10月13日現在、電動アシスト自転車+後バスケット取付け対応のLサイズと電動アシスト自転車+後チャイルドシート対応のLLサイズのみの販売で、Mサイズ以下は発売していないようです。
続いて注目したのが後バスケット用のインナーカバー。全体を覆うかたちではないので、バスケットのシルエットも崩さずに取付けできる魅力的な商品ですが注目したのは前にも使えるという点。
ブリヂストンのステップクルーズに代表される横幅が広く高さが低いバスケットの形が人気ですが、実はこの形に合うバスケットカバーがほとんどありません。横幅、高さともに一般的な前バスケットカバーだと寸法が合いませんでした。
先程のインナーカバーは内寸が幅38センチ×奥行きが43センチ×高さ23センチ以内であれば、前用としても取付けできます。
メーカー担当者さまのお子さんの自転車もこのインナーカバーを前用として使われているそうです。荷物が雨で濡れるのを軽減し、ひったくり予防にもなるのでいい商品だと思います。
次のご紹介は塩野自転車。塩野自転車は一般用自転車中心のラインナップで個性的な商品が多いのが魅力。
乗り心地のよい太いタイヤと横幅の広い前バスケット、サビに強いアルミフレームで人気のターボライト。
そのターボライトをミニベロにしたターボライトミニ。
標準的なシルエットながらステンレスパーツをふんだんに使った丈夫さが自慢のフィフスアベニュー。
など、当店でも人気の自転車を多く販売しております。
今回メーカーさんより2022年度の春の新商品としてご紹介いただいたのは、先程のターボライトの特徴をスポーツバイクで再現したターボオーバー27.5"です。ジャンルとしてスポーツバイクの雰囲気を楽しむ " ライトスポーツ " で、カジュアルにサイクリングを楽しむことができます。
また、先程のターボライトミニの限定カラーとしてピンクも発売されました。
現在のターボライトミニのカラーラインナップがブラック、グリーン、ブルーと落ち着いた雰囲気なので、鮮やかなピンクが強烈な個性を醸し出していました。こちらは現在発売中なのでお取り寄せでご用意することもできます。
次はスポーツバイク用タイヤ・チューブのリーディングブランド・パナレーサー。日本製のタイヤ・チューブも数多く発売しています。今回の展示では参考出展中心でしたので、タイヤのプロに前から気になっていたことを確認の意味も込めて聞いてみました。
まずお問い合わせの多いスポーツバイクのタイヤの寿命についてですが、3,000kmぐらい走行したら交換時期という認識でしたが、やはり3,000kmぐらいが一つの目安になります。また経年劣化もあるのでそこまで走っていなくても2~3年に交換が必要です。
次にしばらくお休みしていた自転車を乗ろうとしたら、空気が抜けてタイヤがペチャンコになっている状態。仕事の都合だったり、また自転車に乗ってみようと思ったりと意外と多いこちらのケース。こちらに関しては地面に接している部分を中心にひび割れが発生していた場合は、年数が経過していなくてもタイヤとチューブの交換をしてあげてくださいとのこと。
車体の重量は地面に接しているタイヤとチューブにかけられた空気圧で支えています。通常時でも空気圧調整は1ヶ月に1~2回程度必要ですが、仮に1年間乗っていなかった場合は地面に接している部分で空気圧不足の状態のまま車体を1年間支えています。
この部分の傷みはかなり進んでいるので、もしそのまま空気を入れて走ろうとすると、ひび割れて傷んだタイヤ・チューブはバーストする可能性が高いです。サイクリング中にバーストしようものなら走行不能になるだけではなく、危険も伴うため交換しましょう。
2019年以来の開催以来、サイクルモードが2022年4月・東京で初開催される予定です。
今回、新商品を手にとって確認できたのもよかったですが、メーカーさん等と情報交換できたのが何よりの収穫でした。今後も展示会に行った際にはご報告させていただきたと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
相模原中央店 岐部
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